第四章

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「ん?」 彼が歩き始め、未だに顔ははっきり見えないが俺はあることに気づいた。 推理科の生徒の制服は普通科の生徒が黒のブレザーなのに対し、白のブレザーだ。そして彼は白のブレザーを着ている。 (もしかしてあいつも推理科なのか? でも新入生代表って普通は入試のテストでトップのやつがするものだよな…… だけど俺はテストみたいの受けてないし、もし彼が俺と同じくテスト受けずに推理科に入ったなら、何を基準に選ばれたんだ? それよりいくら推薦とはいえ、なんのテストも受けないで入学して本当に大丈夫なのかな?) 頭の中でいくつか疑問が生まれた。 俺があれこれ考えているちょうどその時、竜崎と言う名の少年が学園長と向かい合わせに立ち、学園長に礼をしているところだった。 そして顔が上げられた時、スクリーンに彼の顔がはっきりと写しだされ、体育館に小さなざわめきが起こった。
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