第四章

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体育館にいたほぼ全ての人が彼の顔を見て美しいと思っただろう。 二重で綺麗な目に、鼻筋の通った高い鼻、少し小さめの口にきめ細やかな白い肌、男子にしては少し長めのストレートの黒髪をもう少し伸ばせば、美少女として今すぐ芸能界デビュー出来るだろうと思われるほどの美少年だった。 「我々新入生は……」 誓いの言葉が終わり、彼が自分の席に戻った時、ある2人の女子の話し声が聞こえてきた。 「確か今年の入試で全教科満点のダントツ1位の人がいるって聞いたけど、もしかして彼なのかな?」 「ウソ!私なんか6割も取れないで合格だったのに…… 制服が違うから特待生とかかな?他にも同じ制服の人がいるけどみんな特待生?」 (この超がつくほどの難関校の入試で全教科満点!?もし本当なら、とんでもない化け物じゃんか! それにしても……あの2人の話が本当なら、分かったことが2つある。推理科に入る方法は推薦以外にあるのと、普通科の人間が推理科について何も知らないと言うこと。あれだけ目立つ校舎なのに何故知らないんだ?) 多くの疑問が生まれた入学式は何事もなく無事に終わった。
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