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見学の時に来たことがあるので、迷うことなく教室に着いた。
スライド式の扉を開けると、まず目に飛び込んできたのは、以前はなかった、高さ、横幅ともに教室と同じ大きさで、縦は教室の半分近くを占めるほど巨大なボックスのようなものだった。壁は白で、中に入るのに使われると思われるドアは、ボックスの中央部分に左右対称に2つつけられており、外からは中の様子は全く見えない。
教室に入って数秒ほど、そんな分析を頭の中でしていたが、すでに5人が教室に来ており、その視線が自分に集まっていることに気づいた。
本来なら明るく挨拶をしたい所だが、初対面ということもあり、最初からあまり変なキャラだと思われないよう何も言わずに、自分の名前が書かれた紙が貼ってある机に向かおうとしたその時……
勢い良く俺の後ろの扉が開き、あまりの勢いにスライド式の扉なので、扉が一番奥にぶつかって戻って来て扉が閉まり、それでもまだ勢いは止まらず、扉が再び全開になったところでようやく止まった。俺を含め、クラスにいたみんなは飛び上がるほど驚いた。
「みんな!おはよー!
俺の名前は、武山剛志だよ。以後よろしく」
中に入って来たのは身長が180cmほどで、かなりガッチリとした体格の男だった。
黒い短髪をワックスで立てており、顔は日焼けして真っ黒だが、顔立ちが整っており、第1印象は熱血なスポーツマンといった感じだった。
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