第四章

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「あの……ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい?」 周りを気にして少し小さな声で聞いた。 「何が聞きたいの!? なんでも聞いていいよ!」 剛史は大きな声で言ったため、俺の気遣いは無駄になった。 「もう少し小さな声で頼むよ。 このクラスは他のクラスに比べて人数が少ないけど、剛史はどんな方法でここに入ったんだ?」 さりげなく剛史と呼んでみた。 「今、剛史って呼んだ?」 剛史は少し嬉しそうに聞いてきた。 「ああ、嫌じゃなかったらこれからそう呼ばせてくれ」 「もちろん。じゃあ俺も翔って呼ぶわ」 満面の笑みでそう言った。 「そうしてもらえると嬉しいよ。 ところで話し戻すけど、どうやって入ったんだ?」 「俺はここの試験を受けて入った」 剛史の表情が満面の笑みから少し真剣な表情に変わった。 「試験……?それはどんな試験だった?」 自分が知らない情報なので少し興奮して聞いてしまった。
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