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「竜崎海翔、彼はまだ乳児のころに両親を亡くして、引き取る家族もいなくて、孤児院に入ることになったんだ。そして彼が4歳の時、孤児院の職員が彼の才能に気づいたんだ。4歳にして1000ピースのパズルを大人の手を借りることなくわずか2日で完成させたんだ。当初はただの偶然だろうと職員も考えていたんだが、次に与えたパズルもすぐに完成させた」
剛史はそこまで話すと一息ついた。
「今、俺がやっても2日や3日じゃ完成させられないよ」
俺は剛史の話しを正直信じられなかった。
「俺も初めは信じられなかったよ。
とりあえずそのことは置いといて、話しを続けるけどいいか?」
「ああ、すまない続けてくれ」
「その噂が孤児院内に広まり、何故かその情報が国立能力研究所の研究員の耳に入ったんだ。
そして研究者によって色々調査された結果、彼の能力を更に伸ばすために、ぜひ引き取りたいという申し出をして来た。
孤児院の人達も、引き取る人達が国家機関で働いているから信用もあるし、生活に困ることはないし、何より小さな頃から面倒を見て来た彼の才能が、孤児院にいるよりも少しでも伸びるのなら行かせてあげたいという親心から、孤児院側はその話しを受け入れたんだ。
そしてそれから約10年、彼についての情報が全く残されていない、言わば空白の10年が過ぎていった。
ここまでの話しを聞いて何かおかしいと思わないか?」
剛史は突然質問して来た。
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