第四章

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「俺達もそろそろ教室に戻ろっか」 剛史が2人の女子が行った後に言った。 「そうだな。そろそろ先生も来ると思うし入ろう」 俺が教室の扉を開けようとしたその時! 「痛てっ!」 可愛らしい声が聞こえ、横を見ると、急いで来たのか、何もない所で女子がつまづいて転んでいた。S組のメンバーはまだ9人しか見ていないので、おそらく残りの1人だろう。 「大丈夫か?」 俺はうつぶせに倒れた彼女の体を起こしてあげた。 「ありがとうございます!」 テンションの高さは剛史と同等だろう。可愛らしい声なのだが、目の前にいるにも関わらず、とてつもなくデカい声でお礼を言ってきた。 「全然気にしなくていいからとりあえずもう少し小さな声で頼むよ」 俺が呆れながらそう言うと、剛史も大きな声に反応したのか、様子を見に来た。 「あ、はい、すいません。名前を申し上げるのが遅れました。私の名前は、愛内聖奈(せな)と言います。よろしくお願いします」 彼女の顔をこの時になって、初めて良く見た。 少し長めの黒髪のツインテールは、小顔の彼女に良く似合っており、ぱっちりとした二重の目は、長いまつげによって、より大きさが強調されている。 鼻はそこまで高くはないが鼻筋が通っている。口は小さめで、唇がほのかなピンク色をしている。 一言で言うと彼女は、俺の好みの美少女だった。
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