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「ったく……なんで毎度毎度学校に行くんですか?呼びに行く僕の身にもなってくださいよ」
「そうですねぇ。だったらいっそのこと、支部をここに移転しましょう。そうすれば、あなたは楽、私は快。すべてがオールクリアぁ……」
「馬鹿いってないで、早くしてくださいよ。アヤカさんのせいで緊張感薄れるじゃないッスか」
愛しの校舎から出て、太陽の暖かな日差しを浴びながら、アヤカたちは歩く。
快晴。
雲一つない空には太陽がどんと一人で居座っていた。
そして今、十二の時らしい。
遠くから昼を告げる鐘の鳴る音が彼女の耳にも届いている。
それを聞くとアヤカは
(子供達はちゃんとご飯、食べれてるのかな?
取り合いっこなんかしてないかな?
楽しい食事を送れているかな?)
と杞憂としか思えない疑問を頭の中で飛び交わせていた。
(そもそも私、こんなに子供達が好きならば、転職すればいいんじゃない?
おっさんに囲まれる日々も終わりを告げるだろうし)
脳内妄想は止まることをしらず、終いには青年から冷ややかな視線を受けた。
「……アヤカさん。妄想は終わりましたか?制服持ってきたんで、着替えて下さい」
青年ーーーーーーカイン・ラシュベールは微妙な顔をしながら、彼女に制服を差し出す。
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