アイツと俺とライトノベル

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この話を聞いた限りでは、席が隣になったこともある、そこそこ仲のいいクラスメートを分からなかった俺が、かなりおかしい奴みたいだが… こればっかりは仕方がない。 俺は正直、他人に興味がない → 必然的に会話が減る → 友達がいない → 本に逃げる → 近寄りにくくなる ましてや、男女間の友情なんて信じてなかったしね。 男女で仲良くしてるのは、突き詰めて言えば最終的には下心だろうとさえ思っている位だ。 「川村君さぁ、女の子が自己紹介したんだから、そっちも自己紹介するのが礼儀だと思うのは、私だけかなぁ?」 勝手に自己紹介しておきながら、相手にも同じ事を要求するとは、なんて図々しい奴だ。 とか、思ったけどさすがに口にはしない。 「まぁ、普通はそうなんだろうけど… 松野 翼さん、だっけ?俺の名前知ってたじゃん。」 まぁ、こちらこそよろしく なんて返して、本を購入しようとレジへ行こうとした俺の袖を松野がつまんでひき止めた。 「ちょっと‼私もその本が欲しいんだけど‼」 振り返って陳列棚を見ると、運悪くこの本で売り切れらしい。 「こういう場合、一般的には男の子が女の子に譲るのが常識よね💕」 この女、とんでもねぇ‼ 「そいつは残念だったな。こういうのは早い者勝ちってのが俺の決まりだ。他を探しな。」 俺は、ここの他にマトモな本屋が無いことを知りつつ松野の意見をあっさり却下して本屋を後にした。
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