アイツと俺とライトノベル

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俺は本屋を後にした…のになんで松野はついてくるんだ? コツコツコツ…(コツコツコツ…) ピタッ…(ピタッ) コツコツコツ…(コツコツコツ…) こんな調子で5メートルほど後ろをついてくる。 (かなり露骨なストーキング?) いい加減文句を言おうと振り向いた俺の目に飛び込んできたのは、松野の目から出る塩水(涙)だった。 グスッ…グスッ… (なんかちょっと可愛いかも)なんて思う俺はS? 「…分かったょ‼分かったから泣くな。買ったのは俺だけど、貸して先に読ませてやるから」 なんて、涙に弱い俺がいた(←新発見) すると松野は『ぱぁっ✨』なんて効果音が聞こえてきそうな勢いで素晴らしい笑顔に変わっていった。 俺は先ほど購入したばかりの本を紙袋ごと松野に渡した。 「いいの⁉」 「好きなだけ読め⤵」 きっとその時の俺の表情ときたら世界の破滅みたいな顔をしてたと思う。 「ありがとう💕川村君大好き💕」 完全に不意討ちを喰らってしまう形で松野が俺に抱きついてきた。 「えぇぇぇぇ‼」 瞬間で完全にフリーズした俺を残して松野は去って行くのだった。 (きっと、感情をスグに態度に表しちゃう子なんだな) 俺が自分にそう言い聞かせて再起動したのは松野が去った10分ほどあとだった… しょうがない、今日は早く寝よう。
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