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「…ッチ!」
「―!??
誰か、いるの―?」
私はベットから出て、窓へ近付く。
「……下、危ねぇぞ。」
足元にはガラスの破片が飛び散っている。
それ以上、前には進めなかった。
「貴方は…誰??
何をしていたの…?」
暗くて顔が見えない。
黒い服を着ているせいか闇に溶けていきそうな雰囲気のする人だ。
「………お前…………!!?」
「…?」
「………気にするな。
こっちの話だ。」
お前って呼んでおいて…
「…早く寝ろよ。」
「!?」
笑ったように見えた。
気のせいかもしれない。
それに、最後の言葉はなぜか優しかった。
外を見れば、既にあの人はいなかった。
「…なんなの…?
大体、この状況で寝ろって…?」
かっこよく帰るのは自由だけど、せめて割ったガラスくらい片付けて行って欲しい。
私はしゃがみ込んで、砕けた窓ガラスを一つ持ち上げた。
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