選ばれし者

5/8
前へ
/933ページ
次へ
その夜、私はこの一家と別な一家が次の朝に引っ越すと聞き付け、私はそのトラックの後をつけることにしたわ。   当日、私は引っ越し業者に成り済まし、トラックに乗り込んだわ。   道中、運転手は私にこう言ってきたのよ。 「ここ最近、リサイクルショップ会社や古本屋会社の功績が上がってるそうだ。」 「……そうみたいですね。」 「この国のリサイクルショップや古本屋は、政府が作ってくれたも同然さ。」 「はい。」 「さて、これから行くぞ。」 「?」 そのままトラックは、あるビルへ進んでいった。 「ここは?」 「リサイクル会社だ。これらを売って、そのカネを政府に献上するのさ。」 「しかしそんなことしたら…!」 「政府のやり方さ。選ばれた家族の財産は全て税金に回される。そして一家は、政府による処分を受ける。」 「はい?」
/933ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加