魅せられた領域に潜む話

怪談シリーズLv.2

男は幸い、植え込みに転落したため、大した怪我はなかった。

その数日後。
俺は妙なものを見た。
橋の下を何気なく見下ろすと、数人の男子生徒が集まっていたのだ。
よく見ると、彼らは古い石碑を囲んでいた。

連中が部活に行ってしまった後、俺は石碑を見て絶句した。
石碑は倒されていた。
そして、壊されていた。
石碑には、ペンキやインクで汚れて見えにくくなっているが、『明』『水』『夜』の３つが読み取れた。
よくわからないが、俺は石碑を洗ってみたが、なかなか落ちなかった。取り敢えず倒れたままでは申し訳なく、位置だけは戻すことにした。

結局騒音は相変わらずで、数日それが続いたある日のことだった。