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声は近づいていく。
金井「ヤバっ!」
3人が玄関へ急いだ時だ。
田本「うわぁ!」
金井「田本!」
田本が足をもつれて転んだ。
金井「田本……うわぁ!」
田本が金井の声に後ろを向くと、警備員の服を着た女性がそこにいた。
女「だから帰れと言ったのに。」
3人は転がるように脱出した。
次の日。
2人は、このことをみんなに話した。
金井「本当に見たんですよ!」
そこへ。
社長「やはり、『見てしまった』か。」
社長が入ってきた。
田本「それって……?」
社長「あの霊は、女性警備員だ。数年前に自殺した者で、供養しても出てくるらしく…。」
その女性警備員は、よく社員や他の警備員に軽んじられたという。
全員が帰るまで見回れと言われた時があり、あの日も彼女は見回りを言い渡された。
彼女は病気になっていたらしい。だが、朝早くから夜遅くまでの仕事のため、病院へ行く暇もなく、また行くのを許されなかった。
その日も、男性社員が彼女に嫌がらせするためにわざと居残っていた時のことだった。
トイレに行こうとした1人の社員が、彼女を見つけたのだ。
帰れと繰り返し呟きながら、倒れていたのだ。
病院へ運ばれたが時既に遅し。
末期ガンだった。
女性警備員の霊に襲われた社員もいたらしい。そのため残業をするなと彼らは口々に言ったのだろう。
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