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更におかしいと感じたのは修学旅行のことだった。
一緒の班をつくる時も、誰かが呼ばないと江利子は来ないのだ。
しかも当日も、親に頼まれたお土産しか買わず、自分のためのお土産は一切買わなかった。
遊園地も、誰かが誘うまで来ないし、アイスクリームやジュースも、誰かが誘うまで口にしなかった。
数日後、担任の先生は江利子のお母さんを呼んだ。
先生「江利子さん、何だか妙なんです。何をするにも誰かが呼ばないと来ないのです。まるで、自分が周りのみんなの奴隷のように、意思を示そうとしないのです。」
お母さん「おかしいわ。いい子に育ったハズなのに。」
先生「もうすぐ学級発表会です。6年生は演劇をやるのですが、江利子さんのために、何とかしたいです。」
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