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前崎には妻と7人の子供がいる。
妻の貴恵は夫の無責任なやり方に嫌気がさしていた。言うまでもないが、貴恵も近所から仲間外れにされたのだ。
子供たちに至っては、もう言わなくてもわかるよね。
ある日。
貴恵はこんな話を持ちかけた。
貴恵「あなた、飯井村知事が殺された理由が新聞に書いてあるわ。」
前崎「何だこりゃ。『飯井村を生かしたままにすれば、みんなこのままでは生きられない気がした』だと?馬鹿馬鹿しい。死にたければ死ねばいいさ。我々は死にたがりやを生かすつもりはない。」
貴恵「あなたっていつもそうね。このままではこの県どころか、国が滅びるのも時間の問題ね。」
前崎「これからは強い者だけが国を支える時代だ。」
貴恵「違うわよ!あなたは、何を言わせてもこうなんだから!」
ふと、貴恵は食卓を見た。
貴恵「あら、美咲は?」
前崎「また遊びに出掛けたんじゃないか?」
その時だ。
☎🎶
貴恵「もしもし?」
???『前崎知事の家か?』
貴恵「だ、誰?」
???『俺たちは自殺芸術倶楽部だ。おたくの娘・美咲は預かった。前崎知事に伝えろ。1週間以内に知事を辞めるか離婚するかどちらか選べ。さもなくば、美咲は来週、どうなるかわかってるな?ちなみに、警察に相談するかはお前たちに任せる。勝手にやっていればいい。』
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