85人が本棚に入れています
本棚に追加
/933ページ
家族を一気に失った2人は、江利子の実家に引き取られた。
怜子は自殺幇助の罪が重なった。
ある日、可奈は祖母に聞いた。
「おばあちゃん、お母さんはどんな人だったの?」
「今思えば全部私が悪いわ。江利子をいい子にさせすぎたから。」
「どうして…!」
しばらくして怜子の妹の佐知恵が、姉に代わって謝罪をしに現れた。朝子はそれを、受け入れた。
別れ際、佐知恵は朝子に聞いた。
「恨まれると思ったのに、どうして?」
「悪いのはあなたの姉さんですから。お兄ちゃんを殺した悪魔ですから。」
「実は、お姉ちゃんは江利子さんの同級生なの。悲しい巡り合わせだね。」
「きっと、知ってたんですよ。」
「…優しいのね、朝子さん。」
「え?」
この時朝子は気付いていた。
佐知恵の手に、包丁が握られていることに。
最初のコメントを投稿しよう!