いい子

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家族を一気に失った2人は、江利子の実家に引き取られた。 怜子は自殺幇助の罪が重なった。   ある日、可奈は祖母に聞いた。 「おばあちゃん、お母さんはどんな人だったの?」 「今思えば全部私が悪いわ。江利子をいい子にさせすぎたから。」 「どうして…!」   しばらくして怜子の妹の佐知恵が、姉に代わって謝罪をしに現れた。朝子はそれを、受け入れた。 別れ際、佐知恵は朝子に聞いた。 「恨まれると思ったのに、どうして?」 「悪いのはあなたの姉さんですから。お兄ちゃんを殺した悪魔ですから。」 「実は、お姉ちゃんは江利子さんの同級生なの。悲しい巡り合わせだね。」 「きっと、知ってたんですよ。」 「…優しいのね、朝子さん。」 「え?」 この時朝子は気付いていた。 佐知恵の手に、包丁が握られていることに。
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