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こうして光雄は逮捕された。
梨奈は大学を中退し、太一と結婚した。4人の子供に恵まれた。
ある日。
夫と子供たちを送り出した梨奈。
居間にてテレビを見ていた時だった。
「昨日、懺悔の庭収容所が市民団体『犯罪者をこの世から追放する会』の襲撃を受けたという事件で、新たな情報が入っています。1人脱獄の情報です。名前は佐伯光雄58才。佐伯光雄58才です。」
梨奈は目を丸くした。
その時には…。
夜。
太一が帰ってきた。
すると、子供たちが近所の大学生と夕食の支度をしていた。
「あ、あなたは?」
「近くの者です。何か、子供たちがいきなり駆け込んできて、お母さんが帰ってないと言ってきて。」
「梨奈が?まぁいい。それにしても助かります。」
「いえいえ。あ、そういえば、あなた宛てに手紙来てるので。」
太一は封筒を手に取った。
仕方なく開けてみた。
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