85人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてその次の金曜日。
事務所にて相澤を待っている間、竜太はあの講義のことを話した。
すると、お笑い芸人の水無月誠が口を挟んだ。
「なぁ、その講義のこと聞き出したのって、ホントーにあんたと同い年か?」
「はい。」
「一応聞くけどさ、名前は?」
「川上淳平。」
すると、全員が息を呑んだ。
「マジかよ!」
「何かあったんですか?」
すると、中津川が話した。
「川上は、相澤センセの弟子で唯一破門された奴だ。破門されたのはあんたが来る2ヶ月ちょっと前。あいつは、先生のある教えを納得せずに破ったからな。」
「教え?」
「あぁ。『身近にいる仲間を敵視しないこと』。これがあいつへの教えだったんだ。受験生として、奴は友人との信頼関係を断ち切ってしまってんだ。だから、センセはこの教えを授けたんだが、あいつはその教えに従わず、周りにいる仲間を敵視するようになったんだ。ついには俺たちの誘いも断ったんだ。それで俺たちと話し合った結果、川上を破門するしかなかったんだ。」
「そうですか。淳平に悪い思い出を呼び戻してしまったんですね。」
「あぁ。」
最初のコメントを投稿しよう!