夢の中へ

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雅人はため息。 父・光一と約束していた日曜日に、突然仕事が入ったからだ。 しかも、約束の日のまさに前日にだ。 妹の由美もしょんぼり。 母・和美もため息。 その日はテレビを見ても満足せず、仕方ないから買い物に出掛けることにした。   その道中。 いきなり和美の携帯が鳴った。 「もしもし?あら、あなたどうしたの?」 『悪い、今日帰り遅くなる。』 「いつも言ってるけど、有休取る交渉くらいすればいいのに。」 『何回もしたさ。だけど、向こうは言うこと聞いてくれるどころか、クビにするってうるさいんだ。』 「取り敢えず、帰るのは何時?」 『10時過ぎになる。』 「とにかく、こっちは転職場所を探してあげるから、そっちも頼みますよ。ここ3ヶ月、約束守られてませんからね。」 光一の勤める会社は人使いが杜撰で、転勤で入った結果、休みと決められた日であろうと向こうはいきなり仕事を入れてくるからタチが悪い。
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