夢の中へ

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この話は光一の耳にも届いた。 何があったのかと同僚に聞かれ、光一が話すと、みんな絶句した。 「娘に何と言えば…。」 「先に行かせるべきだった。」 「俺たちがこれをもっと早く知っていれば…。」 この様子に光一はあることに気付いた。 「もしかして、みんな子供がいるのか?そういうお宅は手をあげてくれ。」 全員だった。 みんなが愕然としていると、社長が現れた。 「急に空気が変わったから、様子を見にきた。お前たち、何を騒いでいるのかね?」 「実は…。」 理由を話すと、いきなり社長が高笑いし始めた。 「遊園地が潰れたとな?お前たちが潰しただけだろうが!」 「どういう意味?」 「私は、お前たちのような子供を持つ者を敢えて採用さただけだ。お前たちナシでは休日出掛けられないという心理を突いてな。我が社だけではない。私の考えに賛同した会社もやってることなのだ。そうやって、数々の娯楽施設を経営難に追い込ませ、自滅させるのだ。お前たちはそれらを助ける役割を持っているのだ!」
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