85人が本棚に入れています
本棚に追加
この話は光一の耳にも届いた。
何があったのかと同僚に聞かれ、光一が話すと、みんな絶句した。
「娘に何と言えば…。」
「先に行かせるべきだった。」
「俺たちがこれをもっと早く知っていれば…。」
この様子に光一はあることに気付いた。
「もしかして、みんな子供がいるのか?そういうお宅は手をあげてくれ。」
全員だった。
みんなが愕然としていると、社長が現れた。
「急に空気が変わったから、様子を見にきた。お前たち、何を騒いでいるのかね?」
「実は…。」
理由を話すと、いきなり社長が高笑いし始めた。
「遊園地が潰れたとな?お前たちが潰しただけだろうが!」
「どういう意味?」
「私は、お前たちのような子供を持つ者を敢えて採用さただけだ。お前たちナシでは休日出掛けられないという心理を突いてな。我が社だけではない。私の考えに賛同した会社もやってることなのだ。そうやって、数々の娯楽施設を経営難に追い込ませ、自滅させるのだ。お前たちはそれらを助ける役割を持っているのだ!」
最初のコメントを投稿しよう!