魅せられた領域に潜む話

言霊

４人目の中津川は、車で大学に向かう途中で、いきなり渋滞にあった。中津川は母になんとか抜け出せないかときいたが、抜け出せない状況にあった。中津川は大学に連絡しようと携帯電話を出そうとしたら、携帯電話を忘れていたことに気付く。仕方なく母の携帯電話を借りるが、圏外になっていた。中津川は、そのまま１時間も渋滞や圏外から抜け出せない状況に陥り、ようやく連絡がとれた時には、手遅れになった。

佐原のクラスの生徒たちは、これを期に口を聞かなくなった。佐原に何か言われてしまえば、良かれ悪しかれ、本当のことになってしまうからだ。

数日後、佐原は久しぶりに生放送の野球中継を見ていた。
その日のリポーターは、かなりお喋りでうるさいやつだった。佐原はそのリポーターに呆れた。