魅せられた領域に潜む話

楽しいこと

「そして柳川の最大の特徴は、完璧主義者であることだ。完璧主義は教師にはあってはならないものだ。」
「いったいどういう意味です？」
「人というのは、間違えで育つ生きものだ。しかしあやつは間違い１つですぐに怒鳴り付ける。そして生徒の成長を妨げ、最悪な場合トドメを刺す。そうなれば悪循環がこの先に待っている。私は最も成長していないのは柳川だと思う。柳川は過ちや間違いを否定する。しかしそれは大きな間違い。続いているから間違い。だが、奴はそれを知ろうともしない。」
「じゃあ、あなたたちはそれを気付かせるために今まで子供たちを？」
「だが、それも限界だ。柳川の被害に遭った子供たちは増え続けている。そのため我々は、密かに柳川を追い出す会を開いている。子供たちの中には、自殺や引きこもりがいる。私のような老いぼれより先に、もう誰も逝って欲しくない。」
「棟方さん……。」
「では、私はここで失礼する。もし柳川が恐ろしいことをやりだすようなら、転校を考えることを勧めるよ。」