食い逃げ親子の記憶

3/6
前へ
/933ページ
次へ
レジの川辺は心配していた。再来年で定年になる。 「柴田くん、大丈夫か?」 「そんなワケありませんよ。僕と同じ高校生が食い逃げですよ。恥としか思えません。」 「まぁ、わかんないことはないけどね。何で食い逃げは減らないんだろうね。」 「マナーの悪い奴らもいますよ?このままでは店の評判は下がりかねません。」 「仕方ないことはないが…。」 その時だ。 いきなり1人の男が店に入ってくると、奥の席の女の子の腕をつかんだ。 「お前、何をしてるんだ!」 「やめてよ!放して!」 「来い!思い知らせてやる!」 そして、男は女の子を引きずるように店を出た。 「柴田くん!」 「はい、待て!」 柴田は店を飛び出した。
/933ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加