8人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
「そろそろ行くか…」
相変わらず鏡に映る僕を見て呟いた。
院長や先生や友達が起きる前に出発しよう。
次に会う時はもっと立派になってるから待っててね?
まとめた荷物を背負い、静かにドアを閉めた。
門から振り返り、孤児院を見つめる。
僕はハッとした。
院長…
先生…
皆…
窓から顔出し、皆手を振っていた。
僕は深々と頭を下げた。
「15年間、お世話になりました!
恩はきっちり返すから、少し待っててください!」
院長はニッコリ微笑み
「行って来なさい」
と言った。
もう振り返らない。
今日から僕は戦士だ。
最初のコメントを投稿しよう!