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依頼人は蝶乃 紫音(ちょうの しおん)。高校2年生。
写真を見ると、かなり整った容姿で、まさに“美少女”という言葉がピッタリだ。
おしとやかで上品な雰囲気が写真からも醸し出されている。
「これほどの容姿なら、狙われても仕方が……」
一通り目を通していると、ある場所に目が止まった。
「警視総監の、娘っ!?」
「そうそう。俺と顔馴染みで、呑みに行く人の子供。よくパーティーで合うんだよ」
どれだけ社長は警察関係と親しいんだ……。警視総監といえば、重役じゃないか。
「それで、うちを訪ねに来たらしい。ただし、家族には内密に」
「はあ」
内密なのに、家族と顔馴染みの探偵を頼りにするか?普通。
うちの社長は依頼人を第一に考えるから良かったものの、他の人なら築いてきた繋がりを優先するぞ。
「その子と一度、コンタクトをとった方が良いですかね?」
「ああ。明日、会ってあげて。待ち合わせ場所は紙に書いてあるから」
「分かりました。でも、なんで俺なんですか?こういうのって、ユズに頼んだ方が……」
ユズとは、事務所で唯一の女性社員。年齢は25歳。
顔も童顔で、年より若く見えるので、高校生でも十分いける。顔は可もなく不可もなく。
年も近いし、ユズに頼んだ方が良いと思うんだけど。
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