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 いつになく落ち込んでいるミカエルの様子に、ラファエルは軽く首をかしげた。 「何か、あったんですか?」 「オレ、どうすればいいかわかんなくて……。あの子は、心に深い傷を負ってるんですよね? そんなあの子に対して、オレにはいったい何ができるんだろう、って」 「……ミカエル」  純粋で真っ直ぐな彼だからこその、悩み。あくまでも真剣なまなざしで語るミカエルを見て、ラファエルは顔をほころばせた。ミカエルはそれに気づく様子もなく、さらに話を続ける。 「天使なんていっても、オレには何の力もないし。あの子の傷を分かってやれるわけでもない。オレにできることなんて、何一つないんじゃないか、って。……分からないんです、何が正しい答えなのか」  ミカエルは、そう言って悔しそうに唇を噛んだ。何もしてあげられない自分が、もどかしい。 「正しい答えなんて、あると思いますか?」
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