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高体連が近くなって、僕は西条くんと一緒に下校することが少なくなりました。
孝昭くんは孝昭くんで、今年はサッカー部のフォワードとして参加するらしく、やはり夜遅くまで練習がありました。
僕はというと、女子バレーボール部の練習が終わるのを待ち・・・
と言うか、言うまでもなく和美ちゃんを待っていたわけですが、女子バレー部は我が校にあっては比較的強い部で、練習はさらに遅くなりました。
しかもかんじんな彼女は、部活仲間といっしょのことが多く、声をかけるのもはばかられる状態にありました。
そしてその日も空振り・・・。
が、なんと。
「センパイッ!」
「あ。あれ?夕子ちゃん」
僕は夕子ちゃんそのものではなく、まわりを見回しました。
グレート井上くんが周りにいないか確認するためです。
僕に限らず、夕子ちゃんを見かけたら、まずそうするのがセオリーでした。
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