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「んー、椛にはやっぱりこの水晶似合うね♪」
ここは星城華学園の一番寝るのに最適な場所、屋上。とても風が心地よい所だ。今は放課後、生徒会の仕事が終わった蓬はここでいつも椛とじゃれている。今日も蓬の胸の中におさまる形で椛がちょこんと座っていた。蓬は椛の首についている水晶のネックレスを見つめていた。
「よも兄だって‥‥。私があげたピンクのリボン、似合ってるよ?」
椛も蓬の髪についているリボンを見つめながら言った。すると急に蓬が椛に近付いてきたのだ。
その後唇に何かが触れる。いつもならそれですぐ終わるのだが、今日は違う。なかなかはなしてくれない。
「よっ‥‥も兄、くる‥っし」
そう言うとようやく唇がはなれた。だが、今度は抱き締められたのだ。力強く。椛はこれで蓬に何があったのか、大体の予想がついた。蓬は何か言いたそうにしていた。椛はそんな蓬の手をゆっくりと強く握った。
この感じはきっと、
「また、昔の夢を見たの?」
そう言うと蓬は今にも泣き出しそうな顔をした。どうやら図星だったようだ。返事の代わりに蓬は再び椛を強く抱いた。‥‥いつもの蓬からは想像がつかないことばかり起きていた。
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