蓬†椛

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「‥‥大丈夫か、椛ちゃん?」 「うん。ごめんなさい、突然泣いちゃって」 「それ、オレのセリフだから!オレが椛ちゃん泣かせちゃったよね‥‥ごめん」 「ううん。泣いてスッキリしたもん♪ありがと!」 その時の椛は幼いがために全く気付いていなかったのだ。男の子の顔が真っ赤になっていることに。 「あ、そうだ。幼稚園に行かなきゃ‥‥。それじゃまたね」 「まって!どこの幼稚園?」 男の子が何故そんなことを聞くのか分からなかったが椛はとりあえず自分が通っていた幼稚園を答えた。すると、同じ幼稚園だと言うのだ。今までずっと同じ幼稚園に通っていたのになんで気付かなかったのだろうと思ったが、今はそれよりもまた男の子と会えるということを喜んでいる自分がいた。それと同時にあることに気付いた。 「あ、の!私まだ名前を‥」 「オレ、蓬。また明日幼稚園で会おうな!」 そう言って椛は幼稚園に、蓬はどこかに向かった。お互い熱い想いを胸に秘めながら。 次の日、約束通り行くと本当に蓬がそこにはいた。何かを手に持ちながら椛に気がつくと笑って近付いてきた。 「約束守ってくれたんだな」 「うん!だって蓬さんに会いたかったから」  
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