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「蓬さんって‥‥‥呼び捨てでいいのに」
「でも母様が許してくれないから。‥‥よも‥兄」
「!それでいいよ。オレは椛、椛はよも兄って呼んで?」
蓬は嬉しそうに微笑んだ。椛は少し抵抗があるものの蓬が喜んでいたのでそう呼ぶことにした。すると蓬は何かを思い出したらしく、急に照れ出した。
「よも、兄?」
「な、なんでもない!それよりこれ、椛に‥‥」
椛に差し出された蓬の手。その中には綺麗に透けてる小さい珠のネックレスがあった。
「‥‥わあ、きれいなネックレスだね。わざわざこれを見せてくれるために呼んだの?」
「違うって!これを椛にあげようと思って♪」
そういうと蓬は椛にネックレスをつけてあげた。するとあまりにも大きかったので二重にすると長さが丁度良くなった。
「うん、やっぱり似合う♪」
「ありがとうよも兄!じゃあ椛も‥‥」
そう言うと椛は自分の髪を結っていたピンクのリボンをほどき蓬の髪につけてあげた。
「これでどこにいてもよも兄だって分かるね?」
「!‥‥‥ありがと、椛」
そこには愛しい人を見つめる蓬とその視線を見つめかえす椛の姿があった。
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