第零章 ~条理事変~

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高校生活も三年目。 春━━━━━━ ここ京都の街は 暖かい風かちらほら吹いて 木々が芽吹く 桜の花びらがはらはらと 私の頭上で踊っていた 単身で私は母の姉 おばさんの家に 高校入学と同時に 住まわせてもらっている アタシの通っている学校は スポーツ推薦があって 陸上推薦で入学した。 中学のころから大会に出ては 常にトップの記録を納めて この日本でも指折の名門高校に 入学出来た。 普通に入れば偏差値70が アタシの頭じゃ高すぎて入れやしない。 それでもMAX63だから 一般的には中の上だろうけどさ それでもここじゃ 通用しやしねぇ。 文武両道 ここじゃ 上には上がいる キリが無いと思うが 上を見失うと 生き残れない。 そんなアタシの高校生活は 今日退学というカタチで 幕を閉じた。 あぁ。理由? 勉強はいつもビリ 陸上だけで自分を保ってた ところが足を壊して ドクターストップが かかった。 気づくのが遅くていつもいつも 後手にまわるんだ 〈もう無理はするな〉 〈引退するべき〉 そしたら自動的に推薦だけで 保っていたから 学業成績も芳しくないアタシに 当然居場所は無く 退学 っていう始末 もともと友達と呼べる人間も そんなにいなかった 頭の良い人間は ウマイ汁の吸い方を 知っている 利用して 冷静さを武器に 人を値踏みする まぁそればっかり 言ってれば まるでひがみにしか 聞こえないかも知れないけど 名門進学の実態なんて そんなものなのかも 知れない 成績 進学 エリート 教育教育教育・・・ 現代病になりそうだ その副作用が いじめ 陰湿に 表の顔と裏の顔を 巧妙に操りアタシを おとしめた 陸上になれば叶わぬと 褒める 陰では 馬鹿のひとつ覚えと 罵られた 最初はショックをうけもしたが そのうち慣れた こんなものと 諦めた。
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