第壱章 ~虚栄金魚~

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そしてアタシは今 はらはらちりゆく桜の木の下で アタシは茫然自失に夜空を見上げている。 ━━━死にたい。 ふとそんな感覚が 身をかすめた 「・・・宵」 「宵・・・子・・・」 ふぃに誰かに呼ばれた 気がした 幻聴まで聞こえるように なったか・・・? アタシの心はさ迷い崩れ 幻覚を見せたのだろうか? 振り返れば 目の前には綺麗な朱色の門が 建たずんでんでいる スモークがかかったように辺りは真っ白なモヤに包まれ アタシは門を見つめている 「宵子・・・おいで・・・」 この門の中からだ 霧で前が見えないが 確かに聞こえた。 必要とされたかった アタシを受け止めてくれる人が 欲しくて探して求めて 失うばかりの人生に アタシはアタシに愛想を尽かした それだけの事さ
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