第弐章 ~平安転機~

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第弐章 ~平安転機~

どれくらい眠りに落ちていた? 川のせせらぎが アタシを揺り起こした。 ・・・・・・・・・・・・・・・?? 景色を見渡すと そこは今までいた公園では無く 見たことも無い 一面、草原で広大な田舎の景色。 唯一聞こえてくるのが 小川のせせらぎくらいで 辺りは静まりかえっている。 カサ... アタシは直ぐさま新たな 音のする方を 振り向いた! ギッと睨み構えた先には 「・・・・・は?」 アタシは思わず声に出してしまった だって目の前に公家みたいな 格好した奴がいたら 誰だって驚くだろう? 「そなた、何者だ?」 しかも喋った―ッ!!!! さらにそなたって キモいわ・・・・ 男の声だ・・・・ 目の前にいる彼は 色素が薄いのか 光に当たると茶色く見える髪を 黒い烏帽子に納めており 肌は雪の様に白く端正な顔立ちで 筋の通った鼻、切れ長な瞳には 憂いた表情が時たま見え 唇は健康的な肉づきで こちらを伺いながら キリっと結んでいた 白い水干と赤い着物がまたそれらを美しく飾る うぜーッ。 女のアタシでも羨ましいと 感じるニュートラルな 美形の彼をじっと見ていた。 「アンタこそ ふざけだ格好してんなし 先にそっちから名乗んな。」 ドスを効かせ奴に応えた。
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