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「彩子さんも、飲みます?」
ソファーにちょこんと座っている彩子さんに、ビールを差し出した。
部屋に上がってからも、申し訳なさそうにずっと縮こまったままだから…
この緊張感を、俺なりに打開しようかと思ったわけだ。
「いやいやいや!非常に申し訳ないです!お構いなく!」
何故、いまさら敬語…?
激しく首を振る姿が、電気仕掛けのぬいぐるみみたい。
…やっぱり笑える。
「…遠慮せずに、どーぞ」
笑いを堪えながら渡すと、彼女はおずおずと受け取った。
「あ、あ、ありがとうございます…」
何故かどもりながら、受け取ったビールを開けると、口を付ける。
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