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「ねぇ、ここ高橋健太のウチじゃないの?」
女が俺を睨んで、ドスの利いた声色で訊く。
怖ぇ。
ちびっ子のくせに、すげぇ怖ぇ。
…何やらかしたんだよ、高橋!!
「えぇ、まぁ、そうですけど…」
控えめに答える俺に見向きもせず、女は靴を脱ぎ捨てて部屋に上がり込む。
俺の部屋、高橋の部屋、クローゼットや風呂場の蓋まで…
ドタンバタンと容赦なく、開くところ全てを開けていく。
俺以外に誰もいないとわかったのか、あまりの出来事に固まったままの俺にキッと向き直ると、
「…高橋は?どこ?」
再び脅すように訊いてきた。
正直、俺が訊きたいです。はい。
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