月のワルツ

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どこからか舞い降りたたくさんの白い鈴虫が、羽を震わせ詩(ウタ)を奏でる。 優しき歌声が、彼の傷を癒した。 とめどなく流れ出ていた血が止まり、傷口がふさがっていく。 『・・・回復の能力!?』 二人のロングコートに衝撃が走る。 この能力(ちから)を使うと頭がクラクラする。 きっと大量に夢の力を使っているのだろう。 それでも能力の発動を止めなかった。 そして・・・ ドサッ もう限界だった。 虫の力を使い切り、彼の上に倒れ込み意識を失った。
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