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それは放課後だった。
「付き合ってくれない?」
僕は意味が分からなかった。
…クラス一のギャル女が僕に告白してきたのだ。
「何で僕なの?」素直。
「特に理由はないの。だめ?」
濃い化粧はまるで鉄仮面をつけているようだ。
「僕なんかより…小池さんならもっといい人作れるよ」
やんわりしっかり断る。…小池とは彼女の名だ。
「お願い!!今日1日だけでもいいから!!」
僕は渋々と了承した。「いいよ」といいたかったが、復讐ゲームによって毎日傷つけられる口の中には口内炎がいっぱいだったため、コクリと頷いた…
小池さんと並んで帰る。何だか恥ずかしかった。
「夏樹…何してんだ?」
僕の背中に氷山よりも冷たいものがはしる。
小池夏樹は、まるで人が変わったように、そのいかつい男に飛びついた。
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