過去

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…朝。 目覚めたくない。このまま暗闇に持っていかれたかった。 体も魂も… 分かるか?この辛さが… …いつもと変わらない日常………俺はふと考える。手首を噛みちぎれば学校に行かなくてすむかな… グレーの空はまるで僕の心を映すようだ。 下のリビングにおりる。無論、誰もいない… 両親は昨日の朝から…いや、一昨日からギャンブル。僕は、菓子パンをくわえる。 その後歯を磨く。 随分やつれたな… そんな事を思いながら。 カバンに荷物を入れる。買ってまだ一年だというのに、もうほぼ使い物にならない。 僕はカバンを背負う。 カバンを買い換えたりしたら奴らの反感を買うだけだ… 僕はドアノブに手をかける。 ふと、刻印の刻み込まれた手首が見える。僕のもっとも嫌いな部分の一つ。 目をそらし、外へでる。 空は相変わらず、僕の心の色を映していた。
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