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「滝内研究所所長の
滝内だ。よろしく」
手を握る。
…指が一本なかった。
「非常に危険な研究だ。記憶喪失、植物人間…下手すりゃ死ぬかもしれない」
僕はうなづく。元々そのつもりだったんだ。
「ご協力感謝する。ただし、これを書いてもらいたい」
一枚の紙が手渡される。…これは誓約書か?
「この実験による君の死、あるいは他の障害が出ても当研究所は一切責任をとらない。どうかね?」
通常の精神の持ち主なら今すぐこの話は白紙に戻すだろう。
…しかし、僕はサインした。
もうこの道しかない。後戻りはできないんだ…
滝内は微笑む。
「こちらにどうぞ」
黒く硬いイス。シートベルトが何本も出ており、ジェットコースターのイスのようだ。
「今から君の体をチェックする座ってくれ」
始まった。もうあの生活には戻れないんだ。
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