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…ゆっくりとふたが閉まる。
外の景色は遮断され、白い闇が広がる世界に僕はいた。
…無数の穴から空気の流れるような音。外からは機械的な音が断続的に聞こえる。
「大丈夫かね?」
急に声が聞こえてびっくりする
どうやら、装置の中にマイクが着いてるらしい。
「はい、大丈夫です」
「今から準備だ。ちょっと苦しくなるぞ」
…言われてみれば少しずつ息苦しくなってきた。
「息が苦しいんですが…」
「大丈夫。今、環境を整えてるところだ」
無限のように流れる時間。
「準備が終わった。今から実験を開始する。準備はいいな?」
「OK」
「行くぞ」
…まるでタイムマシンだ。バック・トゥ・ザ・フューチャー。
猛烈な機械音が頭の方から聞こえる。
頭にほんのり痛み。
「痛いぞ。我慢してくれ」
僕は堅く目を閉じた。
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