人格矯正計画

7/8
前へ
/193ページ
次へ
…ゆっくりとふたが閉まる。 外の景色は遮断され、白い闇が広がる世界に僕はいた。 …無数の穴から空気の流れるような音。外からは機械的な音が断続的に聞こえる。 「大丈夫かね?」 急に声が聞こえてびっくりする どうやら、装置の中にマイクが着いてるらしい。 「はい、大丈夫です」 「今から準備だ。ちょっと苦しくなるぞ」 …言われてみれば少しずつ息苦しくなってきた。 「息が苦しいんですが…」 「大丈夫。今、環境を整えてるところだ」 無限のように流れる時間。 「準備が終わった。今から実験を開始する。準備はいいな?」 「OK」 「行くぞ」 …まるでタイムマシンだ。バック・トゥ・ザ・フューチャー。 猛烈な機械音が頭の方から聞こえる。 頭にほんのり痛み。 「痛いぞ。我慢してくれ」 僕は堅く目を閉じた。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16769人が本棚に入れています
本棚に追加