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扉が閉まる音。
…どうやら部屋に入れられたようだ。
「聞こえるか?白石くん?」
シライシ…
ああ、俺の名前か
「ああ…大丈夫だ」
「この部屋なら大丈夫だ。バンダナをとってくれ」
…仰せのままに。俺はバンダナをとった。
まぶしい。生まれてきた赤ちゃんのようだ。
「私を覚えているかね?」
目の前にはじいさん。…どこかで会ったな。
「たきうち…?」
じいさんは目を輝かせながら俺を見てくる。
「よかった。記憶障害はなさそうだな…君は自分のことを覚えているか?」
だいぶはっきりしてきた。そうだ俺は白石だ。
「ああ…もう少ししたら思い出すと思う」
「そうか。協力しよう」
滝内の口から言葉があふれる。
イジメ
人格矯正装置
ヤクザ
復讐
復讐…?
そうだ。全て思い出した。だが人格矯正装置に入ってからの意識がないんだ。
「思い出したようだな。よかった…本当に…4年間の苦労が報われたよ」
…4年間?
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