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「今の年は?」
「2012年だよ」
…衝撃だった。俺は4年間も眠っていたのか?まるで冷凍マンモスにでもなった気分だった。
「聞いているか?」
少しの間放心状態だった。
「君に頼みがある。我々も研究者だ。君についてのことが知りたい。どうか3日間だけ君を監視させてほしい」
滝内を見下ろす。ずいぶんとしわが増えた気がする。
「監視って…」
「もちろんややこしい機械などは使わない。ただ一人の男と行動を共にしてほしい」
頷く。よくは分からないが…
「本当か?恩にきる」
その後、見慣れた黒いリムジンに乗る。…見慣れたと言っても4年ぶりだが。
連れて行かれた先は小さなビルだった。
「ここで待っていてくれ。すぐ迎えがくる」
滝内は嵐の如く去っていった。
…寒い。
「おい、お前」
…声を受信した方向を向く。赤いスカジャンのごつい男が立っていた。
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