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「ちょっと来いよ」
赤いスカジャンの男の手招き。…不思議だ、全く怖くない。
「元気?」
赤スカジャンがガムを膨らませながら言う。
「ああ、絶好調だよ」
若干眉間にしわがいく。
「そう、よかった。あのさあ早速なんだけど金貸してくれない?ちょっと待ってる人がいて暇だしな」
「暇だったらカツアゲすんのか?金つかう前に頭つかったらどうだ?」
…自分の口から出たあまりに汚い言葉に自分自身が驚く。しかし、口は止まらない。
だが、言い切る前に襟を掴まれる。
「あんまり調子のらんほうがいいぞ?俺ヤクザに友達おるから」
「向こうは友達と思ってないかもしれねえぞ」
「なめんな!!」
パンチが飛ぶ。
しかしパンチは空中で止まる。
「何だよてめ…」
赤スカジャンの顔が青ざめる。
スカジャンの手を黒いオールバックに黒いサングラスの男がスカジャンのパンチを空中で無力化していた。
「やめとけ」と一言。
「す…すいませんでした!!」
スカジャンはネズミをみた時のドラえもんみたいに逃げていった。
「久しぶりだな…兄弟」
オールバックが黒いサングラスをとる。
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