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「おはよう…」 蚊のなくような声…自分でもそう感じた。 クラスのリーダーである中富勇二がこちらを向いて笑う。 …僕にとってはその笑い顔がはんにゃのお面のように恐ろしく感じた。 「おう、龍也。トイレ行こ」 苦痛の1日へのチケット。もちろんこばむことはできない… 渋々トイレまで歩く。汚いトイレ。汚いお前らにお似合いだ。 だが、そんな事は口が裂けても言えない… 「トイレ汚くね?」 七崎隆也。こいつが全ての事柄に火をつける。 「そうだな~ちょっと舐めてもらいましょうか」 後ろの茶髪。 …名前は覚えていない。 「ほら、かがめよ」 リーダーの中富。こいつの言葉が僕にとって法律であり、絶対である。 僕はトイレの床を舐める。味は特にない。上で奴らが僕を見て笑う… 犬ってこんな気分なのかな?などとバカなことを考える。 「しっかり舐めろや!!」 後頭部から踏みつけ一線。前歯がトイレの床にあたり小さな音が響く。 「いたっ」 前歯から出血…僕は手を口にやる。そろそろと奴らを見上げる。ワンワン。 「今、喋ったよな?掃除機に人権はないんですよね」 茶髪が笑う。 その刹那、七崎が僕の襟元を思いっきり掴み、腹にスーパーパンチ。 小さな体から放たれる鋭いパンチは僕の鳩尾(ミゾオチ)に進入する。 思わず倒れる。息ができない…
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