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みんなの青春の味は? 甘酸っぱい味。 ほろ苦い味。 僕は何と答える?……トイレの水の味か? 一時間目が終わる。終了と共に僕の試合のゴングは打ちならされる。 「今から面白いゲームやろうと思うんだ。お前もこいよ」 中富の誘い。僕は連行される。 トイレ。僕たちの秘密基地。 「じゃあ、今日もやりますか!!復讐ゲーム!!!!」 中富の言葉にみんなが盛り上がる。 『復讐ゲーム』これがどんなゲームかと言うと…まあ、見てれば分かるよ。 僕は奴らが言う前に小さな便所たわしを口にくわえる。苦い。 「じゃあ、一発目!!」 僕は茶髪の肩にパンチ。いわゆる肩パン。 「いってえ!!折れた!!」 …周りの奴の笑い声。大げさなリアクション。 「やっちまえ!!」 「思いっきりな!!」 まるでプロレスラーのように喝采を浴びる茶髪。 茶髪が構える。僕はシャッターの如く、強く目を閉じた。 ガゴッ 鈍い音。顎にアッパー。たまらず龍也選手ダウン。 便所たわしの金属部分と舌がアッパーの反動で運命の出会い。 …口中に血の海。 これが『復讐ゲーム』 一発のパンチを引き替え券に、僕への鉄拳制裁。 だが、僕は本気では殴れない。僕が強く殴れば殴るほど復讐は強くなる… チャイムだ。 2ラウンド終了
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