150人が本棚に入れています
本棚に追加
カタ…
「!」
ふと、奥の方から何かの音が聞こえた。
そしてすぐに、それが人だと分かった。
気配がしたから。
「……」
殺し損ねた奴がいたのか。
いや、それはない。
依頼通りこの屋敷の人間は全て始末した。
そこに転がっているモノと依頼された人数は一致する。
俺は刀の血を軽く払い、それを右手に携えたまま気配のする部屋へ向かった。
そこは、どうやら誰かの寝室の様だった。
大きなベッドやら、高価そうな家具やらが置かれている。
それらを一瞥し、ふと気が付く。
…空気の流れが違う。
その微量な違いを感じ取った俺は、迷うことなく部屋の奥へと歩みを進めた。
最初のコメントを投稿しよう!