堕ちた者

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  歩みを止めた俺の前にあるのは、一枚の大きな絵画。 絵には羽根を鎖で繋がれたひとりの天使が描かれていた。 天使はそのあどけない表情で、地に伏したまま哀しげに空を見上げている。 まるで、救いを求めるかのように…。 「………」 この向こうに、『何か』がいる。 絵にそっと触れてみると、すぐ仕掛けが施されていることが分かった。 その解き方も。 簡単な仕掛けだと思いつつ、俺は絵の天使の碧い瞳をそっと指で押した。 ギィ… 鈍い音をたててゆっくり、“扉”が開いた。   開かれた扉の向こうには―… 少女がいた。
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