病院

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―――――――大学病院のとある病室からすべては始まった ガッシャン バリーン!!!! 台の上から飾られたばかりの花瓶が床に落とされ水浸しになる。 「聡! あんた 母さんが折角持って来たのに何してんのよ?! 綺麗なお花が台なしじゃない!!」 そう言い、床に散らばった花や割れた花瓶を片付ける。 「うるせえ!! 頼んでもいないのに勝手な事すんじゃねえよ!! 帰れ!」 聡は 窓を見ながら母親に言い放つ。 「あんた 物に八つ当たりすんじゃないよ! 何時までも 負て腐れてどうするの」 はあ と溜息をつき、明日また来るから と言い残し母親は部屋を出ていった。 その姿を目で見遣ると ドアに向かってリモコンを投げ付け、言いようのない怒りをぶつける。 「んだよっ… うぜえ」 入院して半月がたつ。 退院できるのは、少なくとも1、2ヶ月くらい先だろう。 ちょうど、三週間前の学校帰り。 友達と一緒に公園前を歩いていた時、車に引かれそうな子供を助けて事故に遭い左足のアキレス腱を深く傷つけてたのだ。 そのため、推薦が決まっていた大学から取り消しを言い渡されてしまった。 普通に歩くのにはリハビリをすれば問題ないのだが、スポーツをしている人にとっては致命的な怪我。 聡は、高校三年生で元サッカー部部長。 将来は 〝日本代表選手になって活躍すること〟 を夢見ていた。 小さい頃からサッカー一筋で、幼稚園から小学生まで地元で有名なサッカーチームに入っており 中学・高校は無論サッカー部。 プロからも注目される程巧く、 筋金入りのサッカーバカ だった…。  
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