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その後も何人も誘ってはいたが、結局みんな答えは同じだった。
そして、いつの間にかこの露天風呂の中では覗きに行くメンバーとそうでないメンバーできっぱり分かれていた。
まあ覗きに行くのは和紀と建也さんの2人だけなんだが、それ以外の人達は一斉に白い目を向けている。所謂、軽蔑の眼差しってやつだ。
この俺達の態度を、和紀は不満そうな顔で見ている。
和紀「ぐぬぬ、解せない。なぜ本能に素直にならない?そんなんじゃ人生楽しめねーよ。
……まあいい、建也さん、俺達二人だけであの桃源郷へ向かいましょう!」
ビシッ!と女湯の方を指差し、和紀は建也さんの方を振り返ったが、建也さんは
「わりーね。」
と言い残してこちら側にやってきた。
建也「すまない和紀。俺は常に強い者の味方なんだ。」
なんか一瞬かっこよく見えたが、言っていることはげきダサだった。
しかしこれは懸命な判断だろう。これで和紀は全員を敵に廻すことになった。
建也さんの言葉を聞いた和紀は、唯一の仲間を失い、ショックで崩れ落ちていた。
哀れ、和紀。
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