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和紀「建也さんまでも………くっ!もういい!!信じれるのは己のみ、これが神の与えた試練ならば、俺は乗り越えてみせよう!」
そういいその場に立ち上がる和紀。
よく分からんが仲間を失った悲しみから立ち直ったようで、和紀はなにやら行動に移りだした。みんなはというと興味なさ気にその行動を眺めていた。
―――数分後、和紀はいたる所から洗面器なるものを大量に集めてきて、女湯との境界線に沿ってそびえ立つ壁にそってピラミッド状に洗面器なるものを一人てせっせと組み立ていった。
なぜ、誰も止めなかったのか。それは、誰もこの愚行が、ましてや和紀のやることが成功するなんて微塵も思っていなかったからだ。
しかし、和紀は努力の末、ピラミッドを完成させ、階段状になっている側面を慎重によじ登り、あろうことかてっぺんにたどり着くところまできていた。
あの位置なら、少し覗きこむだけで桃源郷を目にすることができるだろう。
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